医療機器と電子カルテの選定のポイント

新しく医院を開業するにあたって必要となる医療機器や電子カルテ。
借入やリースを利用するなら固定費として毎月の負担になってくるので、経営者目線で機能と価格のバランスを考えて賢く選定しましょう。

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将来設置予定の医療器具も考える

「優れた医療を提供したい」、「最新の設備を導入したい」、そう思うのは医師であれば誰でも同じことでしょう。 とくに差別化が重要となる開業医にとってはなおさらです。
しかし、慎重な検討を行わずに大きな投資をして購入した機器が、数年後にはほこりをかぶっているということも、残念ながらよく見受けられます。
本当に必要なのかどうか?をよく検討する必要があります。
開業当初は必要最小限の設備に絞り込むことがポイントです。追加の機器導入は開業後様子を見てからでも遅くはありません。
また、近隣医療機関の整備状況は把握しておく必要があります。場合によっては競合する機器の購入を避け、導入済みの医療機関と連携を図るのも良いでしょう。
医師と経営者という両方の立場から、費用対効果をよく考え、長い目で見た購入プランを立てましょう。

電子カルテの選定

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十年ほど前から導入されはじめ、2013年には三割まで普及が進んでいる電子カルテ。
大規模病院(400床以上、821施設)では69.9%と普及率が高いものの、今後納入数の伸びが期待されるのは普及率が34.0%とまだ低い中規模病院(100~399床、4562施設)で、小規模病院への導入も今後進んでいくと予想されます。

ポイント1:操作性

電子カルテは、資料のみだけでは、十分な比較検討をすることは難しいと言われています。
日頃のカルテ管理がスムーズで煩わしくないものとなるよう、ショールームに足を運ぶなどしてまずは実機のデモに触れ、ご自分の診療スタイルに合ったものかどうかお確かめください。

ポイント2:機能

患者さんを診察しながら入力しますので、カルテ画面ばかり見ていると不信感を持たれてしまいます。
使用頻度の高い項目を1クリックで操作できるか、今までの経過を時系列で表示できるかなど、実際の現場を想定してお選びください。

ポイント3:サポート

電子カルテ導入後のサポートには、大きく2つの内容があります。1つは「機器のメンテナンス」、もう1つは「ソフトのメンテナンス」です。
故障時に、代替機を持って駆けつけてくれる会社もあれば、故障した機器をユーザーがメーカーに送らないといけない会社もあります。
トラブル時にメーカーのサポートとなかなか電話が繋がらないと、診療の中断や休診を余儀なくされることも考えられます。
「平日は何時から何時まで対応しているのか」「土日祝日の対応はどうなっているのか」などの対応時間も確認しましょう。

ポイント4:実績

「企業としての安定性」を、実績から推し量るためです。将来にわたって継続的なサポートを受けるために、導入実績をチェックしましよう。

ポイント5:価格

安いものだからと安易に価格だけで決めるのはおすすめしません。
保守料が高い分サポートが充実している製品もあります。
一般的には大量のデータを扱う大病院向けには導入型、小規模な診療所などでは費用の安価なクラウド型の導入が進んでいます。

医療機器と電子カルテの選定でお悩みの方は…